京都府立医科大学

京都府立医科大学 2022年に創立150周年を迎えます。

創⽴150周年記念インタビュー

2021.05.28

出会いを糧に 国際交流を推進する

企画広報課小谷 夏美

プロフィール

2017年京都府立医科大学学生課大学院担当に着任。 2021年より京都府立医科大学企画広報課企画広報係へ異動。

目次
  1. 自己紹介
  2. 国際交流との出会い
  3. 府立医大の魅力
  4. 仕事の流儀とこれから

自己紹介

企画広報課企画広報担当の小谷夏美です。留学生のサポートや、海外協定校との調整、HPの管理等が主な仕事です。

5年前に府立医大に赴任してくる前は京都府庁で勤務していました。私自身は総合大学(しかも文系)の出身なので、医学部の人と話すこと自体が新鮮で、学生がとても忙しいことに驚きました。教養科目以外は必修でどの学年も勉強や実習で忙しい。自分の大学時代は学年が上がるごとに講義が減っていき、最終学年でゼミや就活を終えたら卒論を書くだけで自由に使える時間がとても多かったと実感しました。

医学部のカリキュラムは他学部に比べて特殊に見えるかもしれませんね。 小谷さんは大学では何を専攻されていましたか?

経済学部で国際文化を専攻していました。元々はJICAのような途上国の開発支援に興味があり、大学では国際経済と観光をコラボレーションしたような内容を学びました。先生方はフランス経済学や、台湾経済学など、さまざまな国の経済・文化の専門家でした。講義の中でいろんな国や文化の話を聞くのはとても楽しかったですね。

大学時代はどのような活動をしておられましたか?

新歓で勧誘されたのがきっかけで、国際交流サークルに所属していました。月に一度交流イベントを開催する他、留学生と毎週一緒にランチをして、故郷や趣味の話をプレゼンにまとめて発表したりしていました。夏休みには合宿、冬休みにはクリスマス会、雑煮会、春休みにはお花見等、季節毎のイベントもあったので、当時は常に何をして遊ぶかばかり考えていましたね(笑)
暖かく見守り、自由にさせてくださった顧問の先生には一生頭が上がりません。

国際交流との出会い

その時の経験からKiSA(KPUM international Student Association、本学の国際交流学生団体)の活動に対してもアイデアを出してくださいます。

私は高校生の頃までかなりの引っ込み思案でしたが、大学で留学生と関わる中で社交的になりました。留学生と通年で一緒に授業を受けたり、短期留学生のサポートをしたりして、国内にいながら留学しているような状態でした。日本語に堪能な留学生も大勢いましたが、お互いの言葉がわからない時は電子辞書で会話した時もありました。

最初のうちは英語が話せず話を聞くだけだったのですが、あるとき一人の留学生に「意見を言えない人とは時間の無駄だから話したくない」と告げられて何も言い返せなかったことが、変わるきっかけになりました。ショックでしたがてきめんに効きましたね。そこから、英語を少しずつ勉強するようになりました。

自分の考えを共有しないと「意見を持っていない」と捉えられてしまうので、時には「上手に英語を話す」ことよりも「伝えたいことがある」ことが必要なのですね。

もちろん海外と日本の文化は異なるので意見表明する訓練は必要です。私の場合は「言いたいことを言えばいい」と言ってくれる友達が出来たのが大きなターニングポイントでした。私が込み入った事柄を上手く説明できず伝えることを諦めていると、何を考えているのかしつこくしつこく尋ねてくる(笑)。それでも尚言いよどんでいると、「あなたは伝える努力をするだけで良いんだよ。私が聞くのを頑張れば良いんだから。」と言われました。言葉は拙くても伝えようとする原動力となる、大切な思い出です。語学力を伸ばすことだけが重要なのではない、伝えようとすれば相手が私の言葉を汲み取り理解しようとしてくれる、目の前がクリアになった気がしました。

完璧な英語でなくても自分の話を聞くために努力してくれる人に出会えることが大きいのですね。

韓国・水原市にて

府立医大の魅力

大学としての府立医大についてどう見ていらっしゃいますか?

教職員と学生の距離が近く、6年間で多くの先生方と知り合うことができ人間関係が緻密です。一方でどの学生さんも、講義に実習、試験、研究など学業のための拘束時間が長く忙しすぎるのが見ていて大変そうですね。

仕事の流儀とこれから

お仕事のやりがいについて聞かせてください。

公務員は数年で部署異動がある仕組みのため、多様な仕事を出来るところが魅力的に思い、この道を選びました。
まさか大学事務をすることになるとは夢にも思っていませんでしたが、普段は会うことのない先生方や研究者の方と知り合う機会があり、医学研究や臨床現場のお話を聞くのはとても楽しいですね。新米(もう新米では無いかもしれませんが・・・)の特権を活かして、わからないことがあれば誰彼構わず率直に質問するようにしています。

また、職場では変化に対応しようという人の存在が大切だと考えています。府立医大は固定観念に縛られない柔軟な考えをお持ちの先生が多く、時に驚くようなアイデアをいただくこともあります。公務員は法律に従うことが基本なので、ある程度自由裁量の認められている大学ならではの特色の一つだと思います。

国際交流学生団体KiSAの活動にも関わってこられました。

府立医大が国際交流推進に本格的に乗り出したころに赴任してきました。それまでは提携校の数も多くなく、また留学生は各教室へ配属されるので他の学生と交流する機会が少なく人間関係が広がらなかった。1年間滞在したある留学生に「日本で友達ができればもっと楽しかった」と言われたこともあり、学生主体で交流できる体制があればいいと考えていました。そこへ本学学生と国際学術交流センターから国際交流学生団体設立の計画段階で声をかけてもらったため、KiSAの活動に協力することになりました。
ひょんなきっかけで大学時代から国際交流に関わり続けていますが、交流によって自身の見聞を広めるだけなく、アイデアを実現化するチャンスを常に与えていただけていることに感謝しています。

今後の展望はいかがですか。

DDPの更なる活性化や留学生の生活支援など、もっともっと楽しめそうな仕事があるので、叶うならもう少し府立医大で働き続けたいですね。今はコロナで難しいかもしれませんが、逆風を活かして、国内(京都府内)での国際交流が今後さらに活発になることに期待しています。

多職種の人たちと協力するためにどんな工夫をしていらっしゃいますか?

顔を合わせることと、理由をしっかりと説明することですね。例えば、企画提案があれば内容を計画書一枚にまとめ、プレゼンと質疑応答のシミュレーションを頭の中で念入りに用意してから協力を依頼すること。それから、お礼のメールはスピードが命と思っています。時間を取っていただいたその日のうちにメール、次にお会いした時にお礼を言う。基本ですが大事なことです。

最後に、学生に一言お願いします。

自分の強みを、一つで良いので見つけてみてください。何かあっても、一つブレない軸を持っているだけで、自分の行きたい道を素早く選ぶことが出来ますし、例え失敗に終わったとしても、自分で選んだ道なので後悔が少なくて済みます。
ちなみに私の強みは、「猪突猛進!当たってから砕けるかどうかを決めろ!」という鋼の意思の下に行動出来ること。やる気があって起こした行動については多少のことは後でリカバリーできます。自分の恥だけで済むのなら、後はどんどん厚顔になっていくだけ(笑)。チャンスがあるなら何でも挑戦して、後悔少なく、楽しくいきましょう!

スイス・マイエンフェルト、ハイジの村にて

取材・文:磯邉綾那(医6)橋本寛子(医6)

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