京都府立医科大学

京都府立医科大学 2022年に創立150周年を迎えます。

創⽴150周年記念インタビュー

2022.06.24

インタビュー企画を振り返って

インタビュー座談会

プロフィール

座談会参加メンバー(学年は座談会開催当時)
医学科6回生  磯邉 綾菜
       橋本 寛子
医学科4回生  君島 静
       中江 彩
       長山 透流
医学科3回生  岡田 優人
医学科2回生  杉本 亞梨朱

目次
  1. メンバー紹介
  2. インタビュー企画を振り返って
  3. 150周年となる2022年に向けて

メンバー紹介

中江;皆さんお集まりいただきありがとうございます。本日は、150周年記念インタビューについて、どんな企画で誰が行っているのか、ということについて発信すべく、企画委員の学生による座談会の様子をお伝えします。司会を務めます、医学科4回生の中江彩です。
 
全員;(拍手)
 
中江;私は、京都府立医科大学150周年記念インタビュー企画では2022年度の副代表を務めることになりました。コロナ禍で大学に行けない新入生や府立医大に関わる多くの人に府立医大の良さを知ってもらいたいという理念に共感して、このインタビュー企画に参加しました。
150周年記念インタビュー企画以外には、研究を頑張っています。小児がんにもともと興味があったのと、大学生の間から研究に関わってみたいと考えているので、現在は神経芽腫(小児がんの一つ)の研究と統計の研究に携わっています。研究をしていると、多くの人の地道な努力によって現在の医療が築かれて来たことが分かって面白いです。

長山;京都府立医科大学150周年記念インタビュー企画では2022年度の代表を務めることになりました。医学科4年の長山透流です。このインタビュー企画に参加したのは、せっかく創立150周年に立ち会っているから自分も何かしたいと思ったためです。また人に話を聞いて物を書くという体験をしてみたいということもありました。
以前はちょうど川の向こう側にある大学に通っていたこともあり、サークルなど所属コミュニティを選ぶ際に現在の大学から飛び出すことにあまり抵抗がありません。この数年は何かを表現することに力を入れたいと思って、自主映画の作成、合唱、写真など、府立医大の部活あるいは他大学を母体とするサークルに横断的に所属し課外活動に取り組んでいます。ある種巨大な総合大学を形成しているとでも言える京都ならではの学生生活を上手く送れていると思います。他には、学生代表として先生方や教育支援課と関わる機会も多く持たせてもらっています。
 
杉本;前に写真展を見に行きましたが、表現を大事にしていらっしゃってとても勉強になりました。
 
長山;ありがとう。杉本さんはいつも僕の写真を褒めてくれます(笑)。

君島;医学科4回生の君島静です。私は高校の時に入っていた放送部で、取材を行って原稿を書くアナウンスと呼ばれる活動をしていたので、誰かに話を聞いて記事にすることには少し馴染みがありました。放送部での経験が楽しかったので、この企画でも、同じようなことができると思ってこのインタビュー企画に参加し、2022年度の副代表をすることになりました。
私はもともとバイオリンを習っていたのですが、大学でオーケストラ部に入ってからビオラを始めました。ビオラが本当に楽しくて時々勉強より優先してしまうほどです。今は部活を引退したので、演奏の機会を見つけては弾いています。
これまでに色々なアルバイトをしてきましたが、今は北野天満宮の巫女をしています。他には、教育支援課と学生との連絡などを担当する学年副代表もしています。

杉本;医学科2回生の杉本亞梨朱です。普段は部活動やアルバイトなど色々なことに挑戦し、楽しく活動しています。部活では弓道部と茶道部とワンダーフォーゲル部に所属し、バイトでは塾講師、看護助手として働いています。それぞれ学べることがたくさんあり面白いです。
 
中江;看護助手とはどんなお仕事なんですか?
 
杉本;ベッドメイキングや清掃など入院環境の整備、食事や排泄・移動の介助、備品補充など、看護師さんの業務の中で資格がなくてもできる部分を担当しています。医学生としての実習ではあまり経験できないような側面から医療を勉強させてもらっています。
写真撮影や神社巡りなどが好きで巫女助勤にも憧れがあります。
 
君島;巫女助勤は普通に応募があるので、意外と簡単にできると思いますよ。北野天満宮や下鴨神社などのホームページを見るといいかもしれませんね。

岡田;医学科3回生の岡田優人です。僕はKiSA(編者註;本学の国際交流の学生団体)に所属しています。KiSAでは、海外の大学生とオンラインワークショップを開催したり、来日している留学生と交流したり、KiSA学生同士で英語の練習会などをしています。趣味は音楽や美術の鑑賞、それに読書などです。山に登ったり旅に行くのも好きで、浅く広く多趣味だと自分では思っています。

橋本;医学科6回生の橋本寛子です。同級生の磯邉さんと一緒にインタビュー企画をはじめました。大学ではLanguage exchangeがきっかけで国際交流の面白さに気づき、KiSAの立ち上げに関わって、留学生と交流したり医学の勉強会をしたりしていました。最近、ボランティアをはじめました。夜回りのボランティアでは河原町や京都駅近辺を歩き、ホームレスの人にフードバンクでいただいた食料を渡すということを行っています。訪問介護のアルバイトもしています。ホームレスや障がいを持った方といった社会で声を上げにくい人と出会うよい機会で、医師になってもこのような活動は続けて、医学の知識も生かして将来何かできたらいいなと思っています。
専門は神経内科を目指しています。脳神経の病気は治らないと言われているものが多いですが、研究がすごいスピードで進んでいて、将来治療法が開発できる可能性もあるのでやりがいがあると感じました。慢性疾患が多く、家でずっと診てもらっている人も多いです。そのような人に寄り添えるような医師になりたいと思います。

磯邉;医学科6回生の磯邉綾菜です。同級生の橋本さんと一緒に150周年記念インタビュー企画を立ち上げました。医学部に入る前から生物学の研究に憧れていたので、大学では生化学や感染症の研究室で勉強させてもらいました。また、臨床実習でさまざまな背景の患者さんに出会う中で、社会と医療の繋がりに興味を持ったので、他の大学の人たちと一緒に医学部の実習で経験したことを記録したり、コロナ禍での学生生活や医学教育の変化をまとめたりといった活動をしています。
将来は、生物研究と医療人類学の両分野を何かしらの形で統合して人々の健康に還元できたらいいな、と思っています。
 
京都府立医科大学150周年記念インタビューは、コロナ禍でオフラインの交流が減った状況で、府立医大に関わる人の魅力に注目した企画です。大学に集まることができない人たちにも府立医大のことを知ってもらい、交流の場を作ることができないかと考えて同級生の橋本さんと立ち上げました。府立医大に関わるさまざまな方のストーリーを共有することで、いろいろな立場の方が新たなつながりや視点を得るきっかけになったらいいなと考えています。医学部には医学を学ぶ専門学校としての役割もありますが、色んなことを考える色んな興味をもった人たちが集まって自由に羽ばたける場所でもあるのではないかと思います。

中江;この自己紹介で、皆さんの意外な一面を知ることができて面白かったですね。皆さんがそれぞれ色々なことをやっていてボリュームがありました。(編者註;ここには書ききれないほど盛り上がりましたが、泣く泣く編集の都合でカットしています。)

座談会の様子

インタビュー企画を振り返って

中江;皆さん、インタビュー企画に参加して良かったことはありますか?

中江;私の場合は、個人ではなかなか会うことが難しい人と直接話して知り合えたことが財産になったと思います。
 
長山;直接会って話を聞くと、インタビューを受けてくださった方の話ぶりや表情からそれぞれの人柄や想いが伝わってきてとても魅力的だと思いました。例えば、中川先生(https://150th.kpu-m.ac.jp/interview/391/)とお話しした時はちょうど先生が新型コロナ対応を京都府庁で始められた頃で、インタビューの時にも病床確保調整のための電話がかかってきていました。社会の最前線で活躍されている先生の生の声が聞けたこと、そしてその魅力を文章や写真を駆使した記事として出すという経験を通して、表現として伝えるという営み、情報を発信する立場としての工夫を学ぶことができてとても良かったです。

君島;私がこのインタビュー企画に関わってみて良かったと思うことは、インタビューを通じて自分のかかりつけの医師や講義をしてくださる教授たちとはまた違う働き方や考え方を持った医師がいるということがわかったことです。私は近親者に医師がおらず、なかなか医師のキャリアについて直接話を聞く機会がこれまであまりなかったのですが、一見均質な存在だと思っていた医師の集団も、全然そんなことはなく多様な人がいるんだな、と思いました。大学の授業を受けているだけでは知ることのなかった医師の姿を知って、とても影響を受けましたし、自分の今後の人生が変わると思います。
 
杉本;私も君島さんと同じで身近に医療関係者がいなかったので、医学部に入った当初は医師がどのような人生を送って、専門医や研究者になったのかを想像することができませんでした。でも話を聞くうちにそれぞれの人生、キャリア、歩みがあって今に至っていることが具体的にわかり面白く感じました。自分がこれまであまり考えていなかったキャリアに目を向けるきっかけになり、世界が広がりました。
 
岡田;府立医大に関わるさまざまな人の声を世に出すお手伝いができたのは良かったと思います。とても有名な人にインタビューに行くのももちろん素敵ですが、看護師の古和田さん(https://150th.kpu-m.ac.jp/interview/446/)や松岡先生(https://150th.kpu-m.ac.jp/interview/366/)など、伝えるものがあっても、世に出す機会が少ない方々の声を届けられたのはこのインタビューの良いところだと思います。それぞれの人がいろいろな良いストーリーを持っているので、インタビューという記事の形でその良さを発信できて嬉しいです。

中江;それは確かに150周年記念インタビューでできて嬉しかったことですね!

中江;このインタビューを企画されたお二人はどうですか?

磯邉;京都府立医大は大学内のつながりが強い大学だと思います。コロナ禍で大学に集まることができず、特に新型コロナウイルス感染症流行後は新入生は交流が難しかった時期がありました。そんな時だからこそ、京都府立医大の人の魅力に着目し、どんな人がいて、何ができる大学なのかをインタビュー記事という形で共有することに価値があるのではないかと考えました。
150周年記念事業として企画を立案したところ、企画に賛同して後押ししてくれる方がいて、大学公式の京都府立医科大学150周年記念事業として採用され、そして何人もの後輩も参加してくれて…。本当に嬉しかったです。
この企画ではインタビュー、記事作成を全て学生主体で行っているのですが、インタビュー記事作成に初めて挑戦するメンバーも記事を担当するときに積極的に質問を考えたりしてくれたり、インタビュイーの良いところを伝えようと書き方を工夫してくれました。ひとつひとつのインタビュー記事を大切に作ることで、参加メンバーで話し合って工夫を重ねながら記事の質を高めていけたことは良かったです。
この企画は、もともと有名な方を中心にお話を聞くというよりは府立医大にかかわる様々な人の話を聞こうというコンセプトで始めました。なので、岡田くんが言ってくれたように目立たないけれど活躍している人、頑張っている人に光をあてられたことは、きっと読者の勇気になるんじゃないかと思っています。

橋本;大学に集まる人を立体的に理解できたことも良かったと思います。学内の誰がどんなことをしているか、そしてその集団に入っていくための必要な情報がわかればいいなと思ったのがこの企画を始めたきっかけでした。
同時に、大学の良い点のみならず、課題点を言ってくれる方もいました。それも敢えて記事として明らかにすることで、これから入ってくる人にも可視化できたらと思っていますし、私たちも考えていかなければならないと思っていますね。
また、インタビューそのもの以外で、磯邉さんと企画を始めるにあたってそのプロセスを体験できたのは良かったです。先生にお願いしたり、企画書の作成、事務の方とのやりとりなどの社会的なマナーを身につけることができました。

磯邉;たしかに、初期のインタビューでは府立医大のいい点や課題点を聞いていたね。府立医大は150周年という節目を迎えるけど、今後も良い大学としてこれからも続いていくために、課題を明らかにすることで、改善するきっかけになればいいかな。

橋本;最近課題とか聞いていないね?

磯邉;最近のインタビュイーは大学から離れた人が多かったからかな。大学から離れている人は外の風に当たっていろいろな学びを取り入れて活躍の場を広げているんだと思う。それをうまく生かしてキャリアにつなげているんだろうね。

150周年となる2022年に向けて

中江;今後のインタビューの方針について、インタビュー企画委員のみなさんはどのように考えていますか?

岡田;有名な人もいいけど、まだあまり光が当たっていない人の話をもっと聞きたいですね。そのような人の言葉を伝える役目は大きいと思います。
 
磯邉;切実な話ですが、このインタビュー企画の知名度を上げたいですね。学生同士であれこれ相談しながら心を込めて記事を書いているので、読んでほしいです。
 
中江;私もどれくらい読まれているかもう少し知りたいです。あとはSNSを使った広報をしたいです。Twitterのアカウントを持って広報というのはできませんか?
 
磯邉;それならばFacebookもアカウント作って、先生方や受験生も巻き込むのはどうかな?大学紹介のパンフレットに載せてもらうとか、診療科のHPに載せてもらうとか、できたらいいね。
 
長山;TwitterとFacebookを併用すると様々な層に到達できるかもしれませんね。あとはポレポレ(編者註;河原町キャンパスにある生協食堂)にポスターを貼ってもらうのはどうでしょうか。記事のリンクのQRコードをテーブルに貼ると面白いかもしれません。
 
岡田;インタビュー企画で学内メールのアカウントを作って広報するのもいいと思います。

中江;かなり現実的な案が多く出てきましたね。Twitterなら新入生のリクルートなどもしやすいと思うので、ぜひやりたいです。

君島;あとはとても有名な人にインタビューして、その知名度で人気を稼ぐとか。

磯邉;今年度は記事を出せるときと出せない時の差があったので、もう少しコンスタントに記事を上げられたらいいなと思います。あとは、最終のゴールである150周年に向けて、ですが…

君島;そうですね、何らかの形にできればいいなと思います。

磯邉;また今後のメンバーで話し合ってみてください!

中江;皆さん色々なご意見ありがとうございました!今後これらの提案を実現に向けてさらに詰めていきたいと思います。
今日は座談会に参加してくださってありがとうございました。6回生のお二人は国試に向けて頑張ってください。

編集:岡田優人(医3)

⼀覧に戻る